電気通信大学OBにインタビュー ~共和電業編~
電通大の徒歩5分圏内に位置する共和電業で活躍しているお二人のOBにインタビュー。卒論や就活についての進め方やおすすめのごはん屋さん、在校生へのメッセージをお聞きしました!進路や学生生活の過ごし方に悩んでいる学生の助けになるような内容が盛りだくさんです。
共和電業では電気通信大学卒業生が全体の4%を占めています。人事の方も、本学の卒業生を積極的に採用したいという思いをお持ちのようでした。
また、森さんは現在本学の学部3年生向け授業「技術者倫理」の講義の一部を担当しています。

左: 商品開発部の森さん
右: 特注品技術部の松浦さん
研究内容
インタビュアー:まず最初に、研究内容についてお聞きしもよろしいでしょうか?
森さん:私はXYZ軸以外に傾きなども動かせる複雑な機械の制御プログラムを研究していました。当時は工具が機械にぶつかってしまう「工具干渉」が課題だったので、干渉しないようなアルゴリズムを実装していました。検証のために、あえて「メビウスの輪」のような複雑な形状を加工して、実装上の課題を洗い出すといったことを1年間やっていました。
松浦さん:僕は機械系というより生体寄りで、「筋活動の解析」をやっていました。体に放射性物質を入れてから動かし、グルコースが溜まった場所を撮影する「PET-MRI」という手法や、筋電図などを使っていました。具体的には筆記動作のような、少ししか筋肉を使わない細かい動作の解析などを行っていました。
卒論のプロセス
インタビュアー:卒論についてなのですが、どのようなプロセスで進んでいくものなのか教えていただけますか?
森さん:まず、研究には必ず「テーマ」が与えられます。そのテーマに対して自分たちで内容を決め、例えば「評価」が目的であれば、実際の試験を通じて評価結果を出していきます。論理的な構成としては、まず「仮説」を立て、それが有効だと考えられる理由を元に「検証モデル」で実験し、その結果がどうだったか、という流れです。 学部生の研究なら、たとえ結果として「何も分からなかった」という結論になったとしても、プロセスがしっかりしていれば一つの論文として認められることがあります。
インタビュアー:スケジュール感としては、1年間ずっと実験をしているのでしょうか?
森さん:学部生の場合は4月に研究室へ配属されますが、最初の2ヶ月(6月まで)は先行研究の分析や理解に費やすのが一般的です。 その後、残りの期間で何をするか計画を立てて進めていきます。 私はプログラミングの習得も並行して必要だったので、卒業ギリギリまで手探りで進めることになり、非常に大変でした。
松浦さん:僕のように人を使った実験が多い分野だと、プロセスは「データ取り」→「データ整理」→「結論を考える」という流れになります。 ただ、結論を考えている段階で「やばい、データが足りない。この試験もやっておけば良かった」という事態が必ず起きるんですよね。 締切直前に大慌てで試験をやり直してまとめる、というのを繰り返していました。
卒論の忙しさ
インタビュアー:卒論などの期間中で、忙しさの度合いや精神的なしんどさがピークだったのはいつ頃でしたか?
森さん:しんどい時期は結構長かったですね。学部生は1年間しか研究期間がありません。4月に配属されて最初の2ヶ月は先行研究の分析をするのですが、私の場合は研究テーマの理解に加えて、プログラムのスキルもゼロから磨かなければならなかったのが非常に大変でした。プログラムを書いても機械がうまく動いてくれず、答えがなかなか見つからない時期は本当に厳しかったです。お世話になっていた修士の先輩が心配してヒントをくれたり、実装を手伝ってくれたりしたおかげで、なんとか乗り越えられたという感じでした。
松浦さん:僕の場合は、「データ取り」→「データ整理」→「結論を考える」という流れの中で、結論を考えている時が一番でした。結論を出そうとすると、「データが足りない!あの試験もやっておけばよかった」という事態が必ず起きるんですよ。
松浦さん:結局、締め切り直前に大慌てで試験をやり直してまとめ上げるということを毎回やっていました。研究室の他のメンバーとも「やばい時期」が重なるので、みんなで西地区の部屋に集まって、朝からずっと試験をし続けるのが本当に大変でしたね。
森さん:当時は心が折れそうになって「もう留年でもいいかな」なんて思うこともありましたけれど、今振り返ると、「二徹」をしてでもやり遂げたという経験が、今の仕事での自信に繋がっています。あの辛い時期を乗り越えられたからこそ、今の自分があるんだなと実感しています。
就活の開始時期
インタビュアー:次に、就職活動の開始時期や進め方について教えていただけますか?
森さん:私は学部卒での入社ですが、当時は学部3年生の3月が一般的な開始時期でした。ただ、私の場合は少し特殊な戦略をとっていて、もっと早い時期から動き出していました。理系の本格的な採用が始まる前の夏から文系の学生に混じって就職活動の訓練を始めていたんです。グループ面接などで、社交性の高い文系学生の中で揉まれて自分を磨き、万全の状態で2月・3月からの理系採用に臨むという進め方でした。
松浦さん:僕は修士に進んでいたので、意識し始めたのは大学院1年生の1月頃からですね。インターンシップや早期選考の話がポツポツと出始める時期だったので。本格的な開始は一斉採用が始まる4月に足並みを揃えて始めた形です。ただ、僕はあまり真面目に就活に取り組めていた方ではなくて、最初はかなり腰が重かったです。
自己分析・企業分析の仕方
インタビュアー:就活の初期段階、例えば自己分析や企業分析などは、具体的にどのように進められていたのでしょうか?
森さん:企業分析については、私は主に会社説明会に足を運んで情報を集めていました。説明会では、その企業の良い面だけでなく、正直な会社ならデメリットも話してくれます。そこで感じた雰囲気や、登壇している先輩エンジニアの様子を見て、「自分がここで具体的に働いている姿をイメージできるか」を重視していました。集めた情報はExcelで並べて比較し、自分のやりたい仕事とマッチしているか分析していましたね。
松浦さん:僕の場合は、業界の水準や働き方、勤務地などを調べました。自分の中で「東京で働きたい」「設計職がいい」「機械系」といった譲れない要件を絞り込んでいった結果、自然と受けるべき選択肢が見えてきたという感じです。企業の情報については、研究室のメンバーが説明会でもらってきた資料などを互いに共有して、「ここいいじゃん」といった感じで情報を集めていました。
インタビュアー:自己分析についてはどうでしょうか?
森さん:自己分析では、周囲の助けを借りることが多かったです。先輩や友人、先生に壁打ちをお願いして対話を重ねる中で、自分が何を大切にしているのかを客観的に捉え直すことができました。また、実際の面接も自己分析の場となりました。自分と相性の良い企業では自然と言葉が溢れる一方で、合わない企業では思うように話せない。そうした実体験を繰り返す中で、次第に自分の中の軸が確かなものになっていきました。
松浦さん:僕はあまり「自己分析」という言葉を意識してやったわけではありません。ただ、先ほど言ったように、自分の希望条件を整理して納得できるところを探した結果、今の会社にたどり着きました。
電通大時代に通っていた飲食店
インタビュアー:大学生活の中で、よく行ったご飯屋さんや居酒屋などはありますか?
松浦さん:めちゃくちゃ行ったのは、やっぱり鯉寿しですね。残念ながら潰れてしまったのですが、西地区の隣にあって、研究室が西地区に引っ越してからは、研究が終わった後にみんなで行くのがルーティンでした。あとは、蕎麦屋の大村庵。僕のいた研究室は、今でもそこに集まっているんですよ。
森さん:私も食神にはよく行きましたね。部活が終わった後に食べに行くのが定番で、今でも大学での講義の後に先生と一緒に行ったりします。居酒屋だと、今もあるかもしれませんがふくりゅうなども思い出深いです。
インタビュアー:「食神」で、特にお気に入りのメニューはありましたか?
松浦さん:僕は4番を一番食べていました。あとは、高い方の定食にある「キクラゲが入った生姜炒め」みたいなメニューも名前は思い出せませんが大好きでしたね。
森さん:私も基本は4番ですが、たまに食べたくなるのが1番の辛いメニューですね。ご飯をおかわりして食べていました。
電通大生に向けて
インタビュアー:最後に、今の学生生活や就職活動について、学生へのメッセージやアドバイスをお願いします。
森さん:まず、将来自分がどうなりたいかという夢やビジョンを持つことはすごく大事だと思います。電通大の皆さんは非常に優秀ですから、その夢を叶える力は十分に持っています。そして、「今やっていることを全力で楽しむ」ことです。勉強以外のこと、例えばサークルや部活も大切にしてほしいですね。学生時代に取り組んだことは社会に出ても役立ちますが、そのままの形で役立つわけではありません。私は剣道部での他大学との交流を通じて、外部のネットワークの大切さを学びました。それが今、技術士会などの学外活動にも繋がっています。一度自分の中で咀嚼して、抽象化して捉えることが必要です。今目の前にあることに深く、本気で取り組んでいれば、将来どんな困難があっても「あの時あれを乗り越えられた」という自信になり、違う分野でも必ず活かすことができます。勉強も遊びも、今しかできないことを全力でやり切ってください。
松浦さん:僕自身、学生時代は何をしたいかが漠然としていました。なんなら「自分はそんなに機械工学が好きなわけじゃないな、文系の方が面白そうだな」なんて思いながら過ごしていた側でした。しかし、大学で得た知識は知らないうちに将来の自分を支える柱になってくれます。当時ふわっと受けていた授業の内容や、先生が言っていたことが社会人になってから「あ、これあの時やった気がする」と自分で考えるきっかけになることがよくあります。だから、今やりたいことが決まっていなくて不安な人も、楽観的に、今を楽しんで生きていけばいいと思います。あまり将来を不安に思いすぎず、最終的にはいい方向に落ち着くと思って、気楽に頑張ってください。
