インターンシップの気になるQ&A
インターンシップのあれこれをインターンシップ推進室の先生方である古川先生、大堀先生にお聞きし、インタビューさせていただきました。
全4回の構成を予定しており、第2回である本記事ではインターンシップ制度の気になるQ&Aについてお話しいただきました。
インターン先の企業・業界選びのポイント
視野を広げるインターン選び!
古川先生:企業を選ぶときにも、特に大学院進学を決めている人の場合ですと、学域の時は、中小企業も含めて幅広い視点で業界を俯瞰し、欠かせない要素技術を持っている企業や、その会社がないと最終完成品を作ることができない企業も含めて見てみましょうということもご案内しています。そのため、就活の際のインターンシップと、大学在学中に参加するインターンシップでは目的が違う、考え方の意識が違うというところが、まず特色だと思います。
電通大から描く多彩なキャリア
大堀先生:大学のホームページに電通大の先輩たちの就職先が載っています。例えば、ドコモさんが過去4、5年間で電通大の学生の就職先1位だとか、こういうのが出ています。パッと見た感じ業界は結構バラバラだなという印象ですよね。ただ、業種で言うと、電通大ですのでそんなに大きく違いはないのかなと。エンジニア職の中でSEがやりたい、インフラをやりたい、ネットワークをやりたいなど、エンジニア職の中で学んできた内容によって枝分かれしているような印象です。大体の業界でいいますと、結構幅広いですが上位の通信系が多い印象です。あとメーカーやコンサルティング等もありますが、業界で言うと結構幅広いというのが回答です。業種で言うと、そこまで大きくなく、そういった先輩方の流れを受けて今の学生たちもインターンシップ先を選んでいる学生が多いかなと思います。
インターン生が求められるスキル
インターンシップは成長するための第一歩!
大堀先生:ビジネスメールで先方へ事前にメールをお送りする、きちんと挨拶をする、身なりを整える、などの基本的なところが、第一としてあります。プログラミングスキルなどに関しては、 院に進学している学生よりも学域生の方はそこまで重視されていないことが多いです。私も面談する中で、 「C言語しかプログラミング言語が分からないのですが、大丈夫ですか」、「勉強しているけれども、学んだことを社会で活かすことができるか心配で、インターンシップが心配です」という学生が多かったです。しかし、そこはあまり重視していなくて、むしろ学ぶためにインターンシップへ来て欲しいという企業が多いので、その中からインターンシップ先を選ぶというのが学域生ならではだと思います。
プログラミングスキルの必要性は?
大堀先生:求められない、とまでは言えないですね。企業にとって、ここはせめて分かっていてほしいという条件面は学生のみなさんが閲覧できる企業リストに記載して下さっているので、そこも含めてどの企業へ応募をするか決めていくということになります。
古川先生::まだまだ、企業側は、自分の会社である程度育てて、自分の会社の色に染めたいという思いがあります。「うちの会社はこういった人にこういった働き方をしてもらいたい」という考えで、この人のポテンシャルだとか、将来の伸びしろを含めて採用するというところはそれなりにあります。そうした中で、院生の場合、情報工学などの専門分野でさらに進んだ知識を活かして採用したいと考える企業が多いです。一方、学域生の場合、院生と比べると専門性の面で弱いと見られることもあります。ただ、単純に比べたときにプログラミング能力がないからダメだというわけではなくて、学域生ならではの将来の伸びしろをメリットとして考えてくれています。採用される人からすると、どういう環境であっても、そこで仕事のスキルを自分で身につけられるとか、そこから自分で何を学んで何ができるように変わっていくのかだとか、そのような社会人としての人格というか人柄というかを見ているのではないかと思います。
早期選考について
インターンと採用選考の関連は?
大堀先生:一般的なインターンシップについては、企業によって違いがあります。インターンシップの時点で早期選考につながっている、直結していると伝える企業もありますし、選考とは別としている企業もあります。ただ、単位履修としてのインターンシップについては、必ずしも就職と直接関係しているわけではないので注意が必要です。
古川先生: 私は電通大卒業生なので目⿊会でも活動をしていますが、目⿊会では就職委員会という委員会にも在籍しています。就職委員会の中で、私のような現役の社会人だけではなくて、長年、企業で勤めてリタイアされた卒業生の方々も就職委員として学生の支援を行っています。
企業ごとによりけりですが、特に企業で長年働かれていた卒業生の就職委員の方はよく学生に早期選考についてこう伝えています。「確かに早期採用はどこの会社にもあるし、意識するけれど、例えば全体で100人が入社する場合に、この100人のうちでどれだけが早期採用で選ばれているのかどうかを考えたらどうですか」と言うようです。確かに学生の側からすると、応募できるチャンスが 1回増えますし、いろいろな意味でのチャンスは増えるけれども、その100人採用する中で 90人が早期採用なのであれば、これは早期ではなく本採用になります。そのため、あまり「早期選考だから」とか「インターンシップが直結するから」とかということを必要以上に考えなくても良いのではないかということが就職委員会の中でも話が出ます。
・早期採用を行っている企業もあり、応募機会が増える点ではメリット
・しかし、早期採用が全採用数の大部分を占める場合、本採用と変わりなし
・そのため、「早期選考だから有利」や「インターンシップが直結する」ことを気にしすぎる必要はない。
履修手続きと注意点
学域4年生でもインターンシップの単位を履修することはできますか?
古川先生:制度上は可能です。ただし、4年生は卒業研究が忙しくなるため、時間を捻出するのが難しい場合があります。
前期は4月に研究室配属され、ゼミが始まり、研究テーマを決めると、5 月頃になります。その後、先行研究の調査を行い、遅くとも6月頃には実際の卒研に着手することとなります。9月には中間発表会があるので、特に夏休み期間に、中間発表に向けて研究を進めていかなければいけません。中間発表会後、12月末頃までに卒研を終わらせて論文を書くとすると、後期も 3 ヶ月ほどしか研究の時間がありません。指導教員もインターンシップの実施自体を否定することはないと思いますが、卒研が終わらないと卒業できないので、指導教員としては、どうしても卒研の進捗が心配になります。そのため、制度上は4年でも履修できますが、履修に先立ち、まずは指導教員と良く相談をすることが必要だと思います。
電通大生の就職時期は…. ぎりぎりでも間に合う?
古川先生:電通大の就職率は非常に高く、卒業間際でも就職先が見つかるケースがあります。もちろん、人気企業や有名企業に行きたい場合は激しい競争となることは当然ですが、「就職する」ことだけを考えると、電通大の卒業生への評価は高いので就職ができないということはないのではないでしょうか。
電通大生のインターン
周りに流されず“自分の軸”を磨こう
古川先生:意欲ある学生は 5 回以上行っているようです。良くも悪くもインターンシップをやらなければいけないという風潮があり、パズルのような⽇程を組む学生もいれば、情報が溢れすぎてどうしたらいいかわからないという学生もいます。こういった悩んでいる学生にアドバイスをするのも我々の仕事です。このような学生には、一つ二つ行ってみようか、このようなところでやってみたらどうかと提案します。回数や行き先だけでは比較できません。
大堀先生: 周りに流されてインターンシップに行かなければいけない、自分は1社しか行っていないけど周りは複数行っているという焦りで相談に来る学生も多いですが、私は、周りがどうではなく、自分がどう考えているのか、学位取得後にどのようなキャリアを築きたいのかを考えることが大事だと思います。自分の軸をまず決めてほしいです。例えば、院に進学しようと考えている場合、院では自分の研究を深めていくことが大事です。近い業界に行きたい、興味がある、就職活動は考えていないけど自動車メーカーに興味があるから院生になる前にインターンシップに行きたい、ただ10⽇間も行けないから1dayに参加する、など将来に向けて決めていくのが良いと思います。学域生の間に興味のあるメーカー、コンサル、通信など、色々な 1day に行く学生もいます。本当に様々です。
インタビューを行わせていただいたインターンシップ推進室の先生方

■古川 浩規 特任准教授
インターンシップ推進室特任准教授。
電通大を卒業後、官公庁勤務を経て独立し、ベトナムで起業。
「皆さんと国外をつなぐお仕事をしています。」

■大堀 結衣 キャリアカウンセラー
インターンシップ推進室キャリアカウンセラー。
主に国内インターンシップを担当し、学生との面談を実施。
履歴書・エントリーシートの添削などを行っています。
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インターンシップ関連記事は全4回!!
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