電通大OB・OGインタビュー ~調布市役所編~
電通大を卒業後、異なる道を辿りながらも現在調布市役所で活躍するお二人のOB・OGにインタビュー。学生時代の経験から、就職活動での葛藤、現在の公務員としての仕事内容、そして母校・電通大での学びが社会でどう役立っているかまで、リアルな声をお届けします。進路に悩む電通大生必見です!

電通大の学部と院を卒業後、民間企業を経て現在はデジタル行政推進課 情報システム係に勤務されています。
右:山田さん
電通大を卒業後、現在は行政経営部 企画経営課で産官学連携を担当されています。
お二人の大学時代の所属を教えてください
山田さん: M科(知能機械工学科)の長澤研究室でした。
朝倉さん: 三類の松田研究室でした。
–出身地はどちらですか?
山田さん: 私は板橋に長く住んでいたのですが、小学校の頃から遠方の学校に通っていたので地元という感覚が一切ないんです。なので地元だと感じられるのは近所に知っている人がいる調布です。
朝倉さん: 私は、鳥取県出身で電通大に進学するために上京してきました。
— なぜ電通大に決めたのですか?
朝倉さん: 当時は深く考えていませんでしたが、「立地の良い大学に行きたい」という希望がありました。浪人中にそのことを予備校の先生に相談したところ、電通大を勧められたのがきっかけです。鳥取県の近くの大学は車でないと行けないキャンパスもあるので、電通大は鳥取県民からすれば立地がとても良いんです。
学生生活について
–学生時代の課外活動などは何をされてましたか?
朝倉さん: サークルは軟式野球サークル、それとは別に外部大学のハンドボールにも参加していました。アルバイトはピザハット一筋で、6年間続けました。
山田さん: 日雇いバイトをしていました。毎回やることが違うので、引っ越しの荷造りなどが上手になるんですよ。学生の時しかできない経験でした。
— 研究室はどう選びましたか?
朝倉さん: 私は小学校の時から頭痛がひどかったんです。なので偏頭痛について調べたら脳の病気だったので、そこから脳に興味を持ちました。脳関係の研究室はどこだろうと調べた時に松田研究室が神経系を扱っていたので選びました。
山田さん: 1年生の終わりぐらいから大学に行けなくなってしまい、大学を受け直すかどうかを真剣に悩んでました。その時体育のバドミントンの授業には行っていました。その時のバドミントンの先生が長澤先生でした。長澤先生に気にかけていただき、2年生の時に長澤先生から「研究室に来ていいよ」と言っていただいて、研究室に机を置かせてもらいました。そこから徐々に研究の手伝いをして、卒論を書くならここでやりたいですという話になって、そこに入りました。
就活について
— 就職活動はいつ頃始められましたか?
山田さん: 学部に5年間在籍していて、5年目の春ごろから「就職どうしようかな」と考え始めました。民間はソニー・インタラクティブエンタテインメントだけ受けました。志望があったというより、「プレステの父」と呼ばれている久夛良木健氏が電通大のOBだと聞いて興味を持ったのと、エントリーシートが非常に面白かったからです。
— どのような点が面白かったのですか?
山田さん: A3の白紙が一枚。「自由に書いてください」という形式でした。
— 朝倉さんはどうですか?
朝倉さん: 修士1年の1月ごろからインターンに応募し始め、そこから就活を進めました。 業界は、当初、公務員は考えてなかったので、IT系、化学メーカーや医療機器メーカーなど幅広く、あとは大学職員なども受けました。
— 業界研究などされました?
朝倉さん: 受ける企業のサイトをざっと見る程度で、そこまで深掘りはしていませんでした。
— 学部生の時は、特に就職活動はされなかったのですか?
朝倉さん: 特にしていません。
–最終的に公務員を選んだ理由は何ですか?
朝倉さん: まずSIerに新卒で就職したのですが、プログラムを書いていくうちに、自分の中で興味が持てない、好きになれないところがあって、自分に向いている職業は何かと考えた時に、事務系などの方が長く続けられるんじゃないか、向いているんじゃないかなと漠然と考えて、公務員を志望しました。
山田さん: 国家公務員になろうと学部5年目の春に思い立って、そこから独学で勉強をしていたのですが、卒業論文との両立がなかなか厳しくて、就活もソニーしか受けていなかったです。就職するつもりもあまりなかったので、どうしようかなと思っていたら、たまたま調布市役所のエントリーがまだ出せたので、練習のつもりで受けました。
市役所ではどのような仕事を?
山田さん: 最初に入ったのは、生活文化スポーツ部です。この部署は文化やスポーツ、産業などにぎわいづくりみたいなものがまとまっている部で、その中の協働推進課で、地元の地域団体さんやNPO法人さんなどと共同で、まちづくりしていくという課です。その後、派遣研修で2年間東京都庁に出向し、都の計画策定に携わりました。市役所に戻ってからは行政企画部の政策企画課で、今度は市の計画づくりを担当しました。次に、再び生活文化スポーツ部へ異動して文化部門を経験して、そして今は企画経営課(旧・政策企画課)所属です。
— お話できる範囲で、面白かった仕事はありますか?
山田さん: 私は、企画経営課の中で、産学官連携を担当していて、電通大やアフラックさん、NTTさんなど、地元に関わりのある企業さんと一緒にまちづくりしましょうということをしています。自治体ではない、全然違う立場の方と一緒にお仕事するというのは、市役所の中でもそんなに多くある仕事ではないと思います。なので面白いです。
— 朝倉さんはどういった経歴ですか?
朝倉さん: 実はまだ、調布市役所に入庁して半年しか経ってないので、経験が乏しいのですが、庁内で使っているシステムの運用管理、お問い合わせ対応などを日々しています。あとは、そういったシステムの改修案件などの対応をしています。
— 半年と短いかと思いますが、面白そうな仕事などありますか?
朝倉さん: やりがいがありそうだなと思うのは、システムの改修の部分。あとは、自分がもともとIT系の企業にいたので、そこで経験したことなどを活かせるのではないかと思います。
電通大で学んだことは市役所でのお仕事に役立ってますか?
山田さん: 我々は事務職なので、学部や大学院で学んだ専門技術や知識を直接活かす、という採用ではありません。文系出身の人たちの方が大半ですし、配属も同じように決まります。
ただ、仕事で直接使わなくても、二つの点で電通大での経験が役立っていると感じます。
一つは、地域における「電通大」という存在感です。私の仕事は他団体や外部の方と連携する機会が多いのですが、地元の方や企業の方々は、電通大にとても好意的です。「電通大出身」だと分かると話が弾んだり、良い印象を持っていただけたりするきっかけになることが少なくありません。地域にとって馴染みがあり、「学生が熱心に学んでいる」という良いイメージがあるのだと思います。
そしてもう一つが、大学で培われた「考える力、説明する力」です。
実は私自身、大学に入ってから「ちょっと違ったかな」と悩み、卒業に5年かかりました。専門性が高い大学だからこそ、「このまま進んでいいのかな」と迷う人は、きっと一定数いると思うんです。私もそれでだいぶ紆余曲折し、結果的に大学とは直接関係のない市役所の仕事をしています。
ですが、そうした専門分野で悩んだ経験も含めて、大学時代に、物事の仕組みを考えたり、根拠に基づいてデータを提示したり、それを相手に分かるように説得したりする「場数」を、たくさん踏んできました。学生のみなさんは、もう当たり前になっていて慣れているかもしれません。でも、その力が今の仕事で資料を説明したりする時に、本当に役立っているんです。大学という場が養ってくれた論理的な思考力こそが、一番の財産だったと感じています。
朝倉さん: 山田さんのお話を聞いて「確かにそうだな」と納得するところも多いのですが、正直なところ、私自身はまだ「電通大での学びが直接役立った」という実感はあまりないです。
私は情報系の専攻ではなかったので、今の庁内システムを扱う仕事に、大学での学びが直結しているわけではありません。ですので、今のところ市役所の仕事で「電通大卒で良かった」と感じるメリットは特に思い当たらなくて…。こうしてインタビューに呼んでいただけて、やっと今、この場(インタビュー)で役に立てたように思います。
市役所の職員として、調布市の魅力は?
朝倉さん: 交通の利便性が良い点だと思います。都心にも出やすいですし、私が2016年に入学して、そこからトリエができたり、この辺の駅前の整備などの変化も見ていて、地域のために頑張っている市なんだなと、住みながら実感しています。
山田さん: 私は都心部の方にもともと通っていたので、生産農家さんがいて直売所があることに衝撃を受けたんです。同じ東京都の中で野菜の直売所があるんだって驚きました。一人暮らし始めた時、大家さんがとても面倒見が良くて、コミュニティができていたり、隣の家の戸建てのおじいちゃんと仲良くなって朝出かけるときに、いつからかハイタッチをするようになって、温かい街だなと思って。それで、調布の方がいいなと思い始めました。
電通大生にメッセージをお願いします!
朝倉さん: 私も、一度は専門分野に近いIT企業に就職したものの、「本当にこれがやりたいことだろうか」と悩み、転職した経験があります。進路に迷われている方も多くいらっしゃると聞きました。そんな方には、まずは一度、自分の専門分野で就職活動をしてみることをお勧めしたいです。自分が学生時代に学んできた得意分野であれば、たとえ大きな自信はなくても、「もっと頑張ろう」という向上心につながりやすいと思います。あまり深く考えすぎずに、まずはその世界に飛び込んでみる。そこで初めて見えてくることや、改めて「自分には合わない」と気づくこともあるはずです。ちゃんと学校に通うだけでも偉いので、そこから頑張っていって、先生とコミュニケーションをしっかり取り、何か一つでもいいので、成し遂げてほしいですね。
山田さん: やりたいことがはっきりしていて、突き進んでいる方々には全く参考にはなりませんが、割と専門的な分野に特化している大学だからこそ、このまま就職で良いのかなと、漠然ともやもやしている方には、私のような人もいる、ということを知ってもらえると少し気持ちが楽になるのかなと思います。特色ある大学だからこそ、あえてその大学を選んだ理由があると思います。今、好きなこと、おもしろいと思うことに一生懸命になれることが、その後の自分にとって財産になっていくと思うので、まずはそれぞれの学生生活を楽しんでほしいです。

